【開催レポート】SALT×ふくおか食べる通信チャリティーコラボ企画 Cooking Salt Bar

「食べるだけじゃなくて、みんなで作ってたべるイベントをやりたい」。生産者と消費者をつなぐメディア、『ふくおか食べる通信』の梶原編集長からそんな相談をもらったのは9月下旬、台風17号が九州を襲ったすぐあとのこと。朝倉市の梨農園が大きな被害を受けていることは聞いていました。どうせやるなら、台風被害をうけて廃棄される梨をつかった料理にして、農家と参加者の交流の場もつくろう。はじめての『ふくおか食べる通信』との共同企画はそんなやりとりからはじまりました。


元レストランをワークスペースとして活用しているSALTには本格的なキッチンが備えられています。これまでもこのキッチンを利用して人と地域をつなぐ交流会を企画してきましたが、今回は参加者みんなで料理をするという初の試みでした。『ふくおか食べる通信』の梶原編集長には2017年に福岡移住計画の記事に登場していただいたこともあり食べ物をとおして地域の情報、人の生き方や哲学などを発信しておらることにSALTとしても深く共感しています。料理指導にスイーツプランナーの山口真理さんも企画に賛同してくださり話はとんとん拍子にすすんでいきました。

▲料理指導担当 スイーツプランナー山口真理さん

▲山口さんが福岡の農家さんから仕入れてくれたこだわりの食材

台風により3割の梨が落下してしまったあさくら林農園では、これらの梨を廃棄するしかないとのことでした。農家さんにとって3割の減収だけでなく2年前の九州北部豪雨からの復興もまだ途上であった中、今回の台風のダメージは相当なものだったはずです。にもかかわらず、決して自然を恨むでもなく冷静に淡々と落ちた梨をひろう林農園の園主である林さんの姿をみて、梶原編集長は「僕たちに何ができるのか?何をすべきか?」と問い続けていました。
林農園の梨と同様に、気候による影響をうけて大きく収量がさがってしまった早良区ひろきゆうき農園のゆうきさんも、被害の状況をかたる姿はどこか達観しているかのような明るさでした。企画チームはそんな農家さんたちの自然との向き合い方についても、このイベントの参加者たちに触れてほしいと思いました。

▲あさくら林農園の林誠吾さん(photo by 白石悠)

▲福岡市早良区ひろきゆうき農場のゆうきさん(Photo by 白石悠)


こうして2019年10月24日、たくさんの人たちの協力によってCooking Salt Barは実現しました。 当日のメニューにつかわれた食材は、過去に『ふくおか食べる通信』で特集された食材などこだわりのある農産物ばかり。なんとも贅沢な献立となりました。レシピを考案したスイーツプランナーの山口真理さんは、日頃から生産者のもとに直接足を運んでつながりをつくること大切にし、固定概念にとらわれないメニュー作りがモットーです。山口さんのレシピにならぶことばには「林さんの梨」、「ゆうきさんのお米」など、ひとつひとつの食材に対する生産者への敬意がこめられていました。

▲当日のメインディッシュ(Photo by 白石悠)


4チームにわかれて料理タイムがはじまると、チームのメンバーは自然と自分の役割を担いました。初対面の人同志が気軽にことばを交わし、一緒にひとつの料理をつくりあげ、楽しそうに食事をする光景をみて、企画チームはこのイベントがもつ意味をつよく実感しました。なによりも、みんなで楽しさを共有できたことがよかったと思います。参加者層は幅広く、被災した農家さんを応援したいと遠方から足を運んでくれた人もいました。つくった人から直接いただいた食材を、一緒に料理して一緒にたべることで感じたおいしさと楽しさは、厳しい環境を生きているという現実から自分たちを切りはなしていては感じることができないでしょう。

▲料理タイムのようす

▲イベントに先行して農家さん応援即売会を実施しました


▲みんなで乾杯&試食!

イベント終了後、企画チームのあいだには心地よい連帯感がうまれていました。今回のイベントをきっかけとして出会いつながった人たちは、次はお店にならぶ農産物をとおして林さんやゆうきさんと再会します。人とモノとのつながりがまたひとつ深くなりました。

▲スタッフ集合写真/提供 山口真理

撮影協力:白石悠(フォトグラファー)